着方レッスンコラム季節編
【着物】雨の日の注意点、対処法はある?雨対策をご紹介!
2024.05.22
こんにちは!
「着たい人を、着る人に」
まるやま・京彩グループです。
雨の予報が出ている時、着物での外出はためらってしまいますよね。
「お気に入りの着物が濡れるかもしれない」と思えば、着物での外出はやめておこうと考える人も多いかもしれません。
ですが、きちんと雨の日でも注意点を忘れないように過ごせば、水濡れや汚れも最小限ですむかもしれませんし、雨対策や対処法を知っていれば、事前に準備をすることができます。
今回は、着物で過ごす雨の日の注意点や、雨対策をご紹介します。
目次
1.着物の雨の日の注意点
雨の日の着物の注意点をご紹介します。
①雨の日の着物「着付けに注意」
雨の日に着物で外出する時は、着付けの時から注意しておきましょう。
カジュアルなお出かけの場合、着物の裾を普段よりも「少し高め(2~3cmほど)」にして着付けをすることをおすすめします。
ただし、プライベートで着物を楽しむ時の注意点ですので、フォーマルな時の対応ではありません。
②雨の日の着物「所作を意識する」
プライベートではなく、フォーマルな場に出席する時の着付けは、いつもと同じように着物の丈で着付けをしないと、フォーマルな場にはふさわしくありません。
いつもと同じ着物の丈だと、裾の部分は雨だけでなく、地面からの水の跳ね返りで更に濡れやすくなります。
その場合は「所作」で、着物を濡れにくくしましょう。
雨の日の着物の所作「歩く時は歩幅を小さく」
歩幅が大きいと、靴が地面に着地する時に、水の跳ね返りが大きくなりませんか。
ですが歩幅を小さくすると、水の跳ね返りがそこまで大きくなりません。
そして、勢いよく地面に足を付けないことも大切です。
雨の日の着物の所作「歩く時は、裾を少し持ち上げる」
カジュアルなお出かけの時は、着付けの時に裾を上げますが、フォーマルの場合は通常通りの着付けをしなければなりません。
ですので、フォーマルの場に行くときは、歩く時は右側に来る「前身ごろ」の端の部分と、下前の部分とつまんで持ち上げて歩きましょう。
水たまりのある場所は、水が跳ねるので、裾が汚れないように、持ち上げてゆっくり歩くように気を付けてくださいね。
2.着物の雨の日の対処法は?
雨の日に着る着物が、濡れないようにするための対処法はあるのでしょうか。
①雨の日の着物の対処法「雨コートを着る」
雨コートは、羽織と同じように、着物の上に羽織るコートです。
雨コートには、下記のように2種類あります。
- 上下が離れている「二部式」
- 足元までのロング丈「一部式」
二部式の雨コートは、上下に分かれているので、調整がしやすいというメリットがあります。
一部式の雨コートは、裾よりも1~2cmほど長めに作られるので、着物の裾をまくり上げても、外からは見えません。
着物の裾が汚れることを防ぐことができますよ。
②雨の日の着物の対処法「草履カバーを付ける」
草履のつま先の部分に、カバーを付けることができるアイテムです。
「雨草履」という、カバーが付いている草履もあります。
- 外で過ごす場合は、雨草履を履く
- 移動中にカバーを付けて、室内に移動したらカバーを外す
と上記のように使い分けてもいいですよね。
ただし雨草履を履く時は、フォーマルな場に向かないので、フォーマル用の草履も用意しておきましょう。
③雨の日の着物の対処法「ブーツでコーディネート」
「卒業式」以外のフォーマルな場では難しいですが、カジュアルなお出かけの場合は、ブーツで足元を飾ることもおすすめです。
着付けの時に着物の裾を少し上げて、防水のブーツを履けば、足袋も濡れることは無いでしょう。
あまり雨が激しくない時におすすめです。
3.雨の日の着物に備えた雨対策!
雨の日に着物を着るときの、普段からできる雨対策をご紹介します。
①普段からできる雨対策「大き目の傘・傘袋の用意」
普段からできる雨対策として、「大き目の傘」を用意しておくことがおすすめです。
普段のお出かけの時には、コンパクトな折り畳み傘を用意している人は多いのではないでしょうか。
ですが着物や帯は、水にぬれると縮んでしまうこともあるので、なるべく濡れないように大き目の傘を用意しておきましょう。
そして、傘を使った後、すぐに傘立てに預ける場合はいいのですが、閉じた傘を持ち歩く時に、着物に傘が当たって濡れないように「傘袋」に入れて持ち歩くことをおすすめします。
周囲の人たちの服や荷物を、濡らしてしまうことも防いでくれますよ。
②普段からできる雨対策「ナイロン素材の風呂敷や袋を用意する」
着物の雨対策はしていても、小物に関しての用意を忘れてしまうこともあります。特にフォーマルな場に行くとき、「和装バッグ」を使用する人が多いのではないでしょうか。
和装バッグは、身に付ける着物や帯ほど、気に掛けることを忘れてしまうことも多いのです。表地に刺繍がされているものが多いので、雨に濡れないように注意が必要ですから、和装バッグも雨から守るための対策をしておきましょう。
雨の強さにもよりますが、下記の対策がおすすめです。
- バッグ本体を風呂敷で包んで、持ち手だけ出して使用する
- 会場に着くまで、バッグを出さずに、ナイロン素材の袋に入れておく(会場でバッグを出す)
風呂敷は、濡れた雨コートを包むこともできますし、ナイロン素材のバッグも荷物が増えた時に使用できるので、持っていても無駄になりません。
③普段からできる雨対策「足袋カバーを用意する」
足袋カバーとは、足袋の上に履くナイロン製のカバーのことです。
見た目は「足袋」と同じですので、見た目を損なうということもありません。
ですが、室内では足袋カバーを付けたままで過ごすことはよくないので、草履を脱ぐ時にカバーも外しておきましょう。
④普段からできる雨対策「替えの足袋を用意する」
草履カバーや足袋カバーを付けていても、足元が濡れてしまうこともあります。
そんな時のために、替えの足袋を用意しておきましょう。
濡れた足袋のままでは下記のデメリットがあります。
- 先方の家に上がる時に、濡れたままでは床を汚してしまう
- 足が冷える
濡れたままの靴下で廊下を歩くと、足跡が付いてしまいますよね。
先方のお宅で濡れたままの足袋で歩くと、足跡を残してしまうこともあります。
相手に対して、失礼の無いように用意しておきましょう。
⑤普段からできる雨対策「移動方法にタクシーを選ぶ」
外出する場所にもよりますが、天気予報を見て外出予定日が「雨」の場合は、タクシーでの移動を視野に入れておきましょう。
晴れの日の移動は、普段の交通手段の利用でも問題ありませんが、雨の日は雨対策のために荷物も多くなります。
駅やバス停では、周囲の人たちの傘が当たって着物や持ち物が濡れることもあるので、リーズナブルとは言えないかもしれませんが、タクシーの手配をしておくことをおすすめします。
着物は素材や処理にもよりますが、基本的に「水や湿気に弱い」と考えておくといいでしょう。
多少の汚れは、クリーニングで綺麗にできますが、クリーニングをお願いしても、汚れが落ちない場合もあるのです。
小さな汚れならば目立たないかもしれませんが、目立つ場所に消えない汚れが残ってしまったら、今後、その着物を着て楽しめないかもしれません。
大切な着物を長く楽しみたいと思うならば、汚れないように事前にタクシーの利用も視野に入れておくことをおすすめします。
⑥普段からできる雨対策「着物に撥水加工をする」
雨による水濡れや汚れを防ぐ対策の一つで、着物に撥水加工をするという方法もあります。
撥水加工をすれば、多少の水をはじき、汚れやシミの吸着を防ぐことができるので、雨の日でも安心して着物で外出ができるでしょう。
ですが撥水加工をすれば、クリーニングを出すときに少し手間がかかるというデメリットもあります。
撥水加工は、汚れや水分がしみこまないように加工をするので、クリーニングの洗剤をはじいてしまうのです。
クリーニング店によっては「撥水加工を取り除き、それからクリーニングをする」という工程をするため、手間が増えます。
そのため、クリーニング店によっては「撥水加工をした着物は断られる」こともありますので、注意が必要です。
まとめ
今回は、着物で過ごす雨の日の注意点や、雨対策をご紹介しました。
- 雨の日でも、着物の着付けや所作で濡れないように工夫ができる
- 雨の日は、雨対策グッズで雨から着物を守りましょう
- 雨の日に備えて、普段から対策グッズを準備しておきましょう
雨の日の着物での外出は、後始末が大変と思ってしまうかもしれませんね。
ですが、しっかりと雨対策や準備をしておけば、着物が濡れることも最小限に抑えることもできますよ。
雨だからと気落ちせず、雨の日でも着物を楽しんでいきましょう。
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