着方レッスンコラムおでかけ編
【母親向け】入学式で失敗しない!着物の色や柄と小物の選び方
2024.03.27
こんにちは!
「着たい人を、着る人に」
まるやま・京彩グループです。
入学式はお子様にとってもお母様にとっても、一生に一度の大切な節目であることから、お子様の入学式に着物で出席したいと考えている親御さんも多いのではないでしょうか。
ただ、普段は着物を着る機会が少ないことで、「着物で参加して浮いてしまわないか」「どんな着物が入学式に相応しいか分からない」などの悩みを抱えた方も少なくないと思います。
そこで、この記事では、お子さまの入学式にぴったりな着物の柄選び方と小物の選び方を中心に、着物の種類や着物マナーなどを詳しく説明していきます。
目次
準礼装や略礼装が入学式の母親着物にぴったり
入学式は、結婚式や葬儀などの第一礼装である「正礼装」を着用するほどかしこまった場ではありませんが、学校の式典であるため、正礼装に次ぐ「準礼装」や「略礼装」の着物を着用するのがおすすめです。
入学式に着ていく着物の柄の選び方や小物の選び方も重要ですが、どんな種類の着物が適しているのかを知っておくことが重要です。
ここでは、お子さまの入学式という晴れの舞台を見守るお母様にぴったりなお着物の種類について、ご紹介していきます。
入学式を華やかに彩る訪問着
訪問着は未婚や既婚に関係なく着用できる着物で、紋があれば準礼装、紋がなければ略礼装になります。
着物の柄が、肩から胸や袖、裾にかけて、まるで一枚の絵のように繋がっている「絵羽模様」で描かれている場合が多く、色無地や付け下げよりも華やかな雰囲気に仕上がっているのが一般的です。
お子さまがメインの入学式を保護者として、華やかに彩りたい方にぴったりです。
入学式にそっと華を添える色無地
色無地は黒以外の一色に染めた着物で、紋を入れると準礼装となり、紋が1つでもあれば紋の入っていない訪問着より格が上になります。
着物の格が高いとはいえ、着物に柄が一切入っていないため、絵柄のある訪問着や付け下げに比べると、控えめでシンプルな印象の着物です。
華美になり過ぎないことから、主役のお子さまよりも目立つ心配はなく、入学式に付き添う母親の着物に適しています。
入学式を上品に引き立てる付け下げ
付け下げは訪問着に次ぐ略礼装の着物であり、訪問着の豪華さをおさえて簡略化した着物でもあります。
着物の模様付けを反物の状態で行っていて、胸や肩、袖、裾といった部分に同じ模様が上向きに入っているのが特徴です。
控えめで上品な印象の着物が多く、お子さまの入学式という門出へのお祝いの気持ちを伝えるのにもってこいの着物として、多くの保護者に愛用されています。
入学式にこそ選びたい着物の色と柄とは?
着物の模様や柄には色々な種類がありますが、柄一つひとつに意味があり、それぞれの色がもつイメージもあります。
着物の色や柄によっても印象が全く異なるため、入学式にどんな色と柄の着物を選ぶのかが重要になります。
ここでは、主役のお子様を引き立てるの入学式に相応しい着物の柄選び方について、詳しくみていきましょう。
入学式には春らしいパステルカラーの着物がおすすめ
入学式は、木の芽が芽吹いたり、桜の花が開花したりと、気候が暖かい春に開催される式典になります。
入学式に身にまとう着物の色は、淡いピンクやクリーム色、緑色、水色、藤色など、優しく穏やかな春らしいパステルカラーがおすすめです。
紺色やライトグレーなどの落ち着いた色味の着物も、豪華な金色や銀色といった色味の着物も、お祝いのセレモニーである入学式にうってつけです。
原色の黄色や赤、ビビッドなピンクなど派手な色の着物を着用した場合には、主役のお子さまよりも目立ってしまう恐れがあるため、避けたほうが無難でしょう。
入学式の着物は縁起のよい吉祥文様がデザインされたものを
日本には、古くから縁起の良い柄として愛される伝統の和柄があります。それが、「吉祥文様(きっしょうもんよう)」です。
ハレの日である子供の入学式に出席する母親着物も、松竹梅や鶴、亀甲、扇、七宝、熨斗、宝尽くしなどの「吉祥文様」が描かれたものが最適です。
また、門出の春をイメージさせる桜や徳川家の家紋としても有名な縁起柄の葵など、上品な桜柄の着物も入学式には適しています。
ただし、着物の柄は実際の季節よりも1ヶ月ほど先取りするのが着物マナーであるため、桜だけが描かれた着物は注意が必要です。
藤や牡丹など春の花や四季折々の花とともに桜がデザインされた着物を選ぶとよいでしょう。
入学式などの式典では、悪目立ちする大きな柄の着物や斬新なデザインの着物も避けると安心です。
入学式の母親着物コーデに欠かせない小物
特別なお祝いの場である入学式では、帯や足袋などこだわりの母親着物に似合う小物を選ぶ必要があります。
ここでは、入学式の母親着物コーデに欠かせない袋帯と白足袋、バッグ、草履について、詳しく解説していきます。
入学式にはフォーマルシーンで大活躍の袋帯が最適
入学式は大切なお子さまのセレモニーですので、おすすめの帯は「祝いごとが重なるように」との願いが込められた「袋帯」です。
袋帯とは、表地と裏地にそれぞれ異なる2枚の生地を袋状に縫い合わせた帯のことであり、格式の高い帯でもあります。
袋帯には、格調高い柄や吉兆文様、金色や銀色の豪快な模様が描かれていることが多く、礼装帯として広く用いられる帯になります。
入学式には高級感あふれる正絹の白足袋がおすすめ
入学式や卒業式など晴れの日の礼装には、白足袋を着用するのが着物マナーになります。
更に白足袋にも、正絹足袋や綿足袋、ストレッチ足袋などの種類がありますが、着物の素材と同じで高級感や光沢感のある正絹の足袋を着用するのが一般的です。
現在では、ビジュー付きの足袋やレースの足袋など、デザイン性に富んだおしゃれな足袋もありますが、入学式には履かないようにしましょう。
入学式には上品かつシンプルなバッグがベスト
入学式のバッグ選びのポイントは、着物の色や柄に馴染むことと、小ぶりで上品なサイズを重視することです。
必ずしも和装用バッグを合わせる必要はありませんが、バッグと草履の素材を合わせるのが着物マナーですので、素材に気を付けましょう。
ただし、入学式では書類などが配られあることもあるため、念のためにA4用紙が入るシンプルなデザインのサブバッグも準備しておきましょう。
入学式には落ち着いた色味の歩きやすい草履を選ぼう
入学式には、華やかな印象のエナメル素材の草履が最適です。明るい色の草履もぴったりで、着物や帯よりも控えめな色味を選ぶと、全体的な着物コーデがすっきりまとまった印象になります。
普段履き慣れていない草履は、足の痛みや滑りなどから歩きにくいこともあり得ますので、一度試し履きして事前に鼻緒をほぐしたり、滑り止め対策をしたりしておくのがおすすめです。
また、草履はかかとが高ければ高いほど格式も高くなりますので、着物の格に合った高さを選ぶようにしましょう。
入学式の母親着物で気を付けたい3つのポイント
お子さまの入学式に母親着物で出席する際には、注意しておくべきいくつかのポイントがあります。入学式で失敗しないために知っておきたい3つのポイントをまとめました。
入学式で母親が子どもより目立たないようにする
子どもの一大イベントだからといって、張り切りすぎて派手な装いになってしまう保護者の方も中にはいます。しかしながら、入学式に華美な装いで出席したことで、悪目立ちしてしまっては、意味がありません。
入学式の主役はあくまでお子さまですから、式典に立ち会う親御さんがお子さまよりも目立つことがないよう、地味過ぎず派手過ぎず、シンプルながらも上品な装いに目指しましょう。
雨の日の準備もお忘れなく
準礼装や略礼装の着物は、100%の絹糸を使った「正絹(しょうけん)」で作られている場合がほとんどです。正絹の着物は高級感がある一方で、水に弱く少し水に濡れただけでもシミになりやすいという難点があります。
そのため、着物の上に羽織る「雨コート」や、草履を水から守ってくれる「草履カバー」などの雨対策も必要となってきます。突然の雨でも慌てることのないよう、雨の日対策もしておきましょう。
美しい立ち居振る舞いを意識する
入学式では、スーツを着ている保護者が多く、着物を着た親御さんはどうしても注目されてしまいがちです。そんな中で、残念な印象を持たれかねない着物の着崩れや、大股歩きは避けたいものです。
歩くときには背筋を伸ばして内また歩きを、階段の上り下りは裾を軽く持つことを、座る時には背もたれを使わずに背筋を伸ばした正しい座り方を心掛けて、堂々と振る舞いをするのが重要です。
入学式に合う母親着物でお子さまの門出を祝おう
今回の記事で説明してきたように、着物の柄選び方と小物などの選び方、着物マナーを知ったうえで最適な母親着物を選ぶことで、入学式に相応しい上品な母親コーデになります。
お気に入りの母親コーデで、人生の大切な節目を迎えるお子さまと特別な思い出を作りましょう。
まるやま・京彩グループでは、着物好きの皆さんがステキな着物ライフを送れるよう、お役立ち情報発信をしていきます!
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