きものを「着たい人」を「着る人」に。まるやま・京彩グループ

着方レッスンコラム基本知識編

【着物初心者必見!】着物の着付けや帯の結び方を徹底解説

2024.04.10

こんにちは!


「着たい人を、着る人に」


まるやま・京彩グループです。


「着物は着方が複雑だからハードルが高い」と思い、着物を楽しむことを躊躇している方もいるかもしれません。


着物の着付けは、最初のうちは手間取ってしまうかもしれませんが、慣れれば簡単に着ることができます。



今回は、着物初心者でもできる着物の着付けの方法や帯の結び方を徹底解説します。



1.着物の着付けの前準備


着付けの前準備を忘れると、いざ「着物を着よう!」と思った時に着られないということがあります。


着付けを始める前に、しっかり準備をしておきましょう。



事前準備1.着物の清潔さ


着物の着付けを始める前に、下記3つを行っていきましょう!



  1. ①手を洗う
  2. ②手をしっかり拭く(水気を残さない)
  3. ③着付けをする部屋の掃除

着物は湿気を嫌うので、手洗い後はしっかり手を拭いてから始めましょう。


着物の着付けをする時は、着物を着やすいように、床に着物や小物を広げるので、ホコリやごみが無い状態にしましょう。



事前準備2.着物を前日にハンガーにかけて陰干ししておく


着物を着る前日に、着物ハンガーにかけて風を通して陰干ししておきましょう。


事前に陰干ししておくことで、虫食いをしていないかの確認や、防虫剤のにおい取りもできます。


着物と合わせて、以下3つのアイテムも陰干しして風を通しておきましょう。


  • ・長襦袢
  • ・帯
  • ・小物

この時に着物も確認できるのでコーディネートも考えることができ、当日に慌てずにすみます!



事前準備3.着物や小物を広げておく


着付けを始める前に、着物を着やすいように広げます。


着物をたたんだ状態で着付けを始めると、着付けをしながら、着物や小物を広げる作業もしなければならなくなります。


特に「腰ひも」は、結んだままの状態にしておくと、着付けの最中に、固定している部分をすぐに結びたいと思っても、すぐに使えなくて崩れてしまうこともあります。


そうならないように、下記の順に着物を広げておきましょう。


  • ・肌襦袢・裾除け
  • ・長襦袢(半襟を付けて衿芯を入れておく)
  • ・着物

広げる時は着物が一番下になる様に重ねておくのがおすすめです。


帯も、すぐに巻けるように「屏風たたみ」の状態で床に置き、帯枕も帯揚げを巻いて、ズレないように輪ゴムで留めておきましょう。



2.着物初心者必見!着物の着付けを徹底解説


着物の着付けの方法を徹底的に解説します。



着物の着方1.「肌着の着方」



まずは肌着(肌襦袢)から着用していきます。


①足袋を履く


着物は、下から順に着ていくので、足袋から着付けを始めます。


せっかく綺麗に着付けができても、足袋を後から履いてしまうと、しゃがんで着崩れしてしまうかもしれませんので、忘れないようにしましょう。


②裾除け・肌襦袢を着る


肌襦袢がワンピース・スリップタイプの場合、そのまま着用します。


セパレートタイプ(肌襦袢と裾除けが別)の場合は、裾除けから着用していきましょう。


③補正をする


お腹や腰のくぼみの部分に、折りたたんだフェイスタオルで調整しましょう。


お腹周りに凹凸があると、帯が結びにくくなり、着崩れの原因になります。


必要な場合は、肩(胸)の部分にもタオルを入れて補正をしましょう。



着物の着方2.「長襦袢の着方」


長襦袢は、着物を綺麗に着るための大切なものです。


①長襦袢を羽織る


長襦袢は、肩にかけて羽織るようにしてから、袖に腕を通します。


②下前と上前を合わせて、コーリンベルトで留める


コーリンベルトを用意して、右側(下前)の一番端を、身体の左端に合わせます。


その下前の、ウエストの部分にある衿先にコーリンベルトを付け、上前を下前にかぶせて残った片方のコーリンベルトで留めます。


③衣紋(えもん)を抜く


衿の後ろの部分の衣紋(えもん)を抜きます。


片手で背中の縫い目を持ち、もう片方の手の握りこぶし一つ分、背中の縫い目を下げます。


この時に、背中の縫い目が中心からずれないように注意しながら、コーリンベルトで留めている部分のしわを、身八ツ口(袖の下の脇の部分)の方に流します。

④伊達締めを締める


伊達締めの中心部分が、身体の正面にくるように締めます。


締めた後、ウエスト部分や胸の部分にシワができないように身八ツ口に流しましょう。


⑤身八ツ口の処理


身八ツ口の前身ごろの部分を、後身ごろの上にかぶせます。


この処理を忘れてしまうと、身八ツ口から脇が見えてしまうこともありますので、注意しておきましょう。



着物の着方3.「着物の着付け」手順


長襦袢の次はいよいよ着物を着ていきます!


①着物を羽織る


長襦袢と同じように、着物を羽織ります。


腕を通すとき、長襦袢の袖を手に持って袖を通しましょう。


②裾をきめる


裾の高さを合わせます。


  1. (1)左右の衿の部分を持ち、裾が床につかないギリギリの高さに合わせる
  2. (2)裾がずれないように、前身ごろを広げる
  3. (3)左上前をきめるために、左上前の衿の部分を持ち、右の腰骨の部分に合わせる
  4. (4)左上前を開いて、右の下前を同じように合わせて、下前の褄先(つまさき)を8cmほど上げる
  5. (5)左上前を再びかぶせて、上前の褄先を5cmほど上げて、裾つぼまりの状態にする

③腰ひもを付ける


左上前を押さえている腰の部分に、腰ひもの中心部分を当てて裾がズレないように手早く巻いて締めます。


腰ひもは、深呼吸をしてお腹を膨らませた状態で締めると、お腹が苦しくなることはありません。


ゴムベルトの場合は、長さを調節しておきましょう。


④おはしょりを作る(背中)


背中のおはしょりを、スッキリさせましょう。


身八ツ口から着物の内側に手を入れ、腰ひもを結んだ時に出来たシワを、背中からなぞるようにとります。


⑤衣紋(えもん)を合わせて、衿を整える


長襦袢の衿の中心と、着物の衿の中心を着物クリップで留め、背骨と背中の縫い目を合わせていきましょう。


着物の衿を耳の下あたりから、長襦袢の衿が5mmほど見えるように揃えていきます。


⑥おはしょりを作る(前身ごろ)


身八ツ口から手を入れて、前身ごろの上前と下前のシワを伸ばします。


着物の下前の身ごろを、内側に三角に折りこめばスッキリしますよ。


⑦コーリンベルトで留める


下前の前身ごろの衿先の部分に、コーリンベルトのクリップの片方を付け、上前の身八ツ口から、もう片方のクリップ部分を出し、背中に回して上前の衿先にクリップを止めます。


⑧伊達締めで留める


伊達締めの中心部分が、正面にくるように前から後ろに回し、紐を前に持ってくる時に、伊達締めと着物の間に指を入れて、背中のシワを取ります。


伊達締めを締めた後、再びシワを身八ツ口に寄せて、身八ツ口の前身ごろの部分を後身ごろの部分にかぶせるように処理をします。


帯板が固定できるゴムベルトがついている場合は、伊達締めの上に装着して、帯を締めていきましょう。



3.着物の帯の結び方を徹底解説

着物の帯にはいろいろな種類がありますが、ここでは普段からよく使用される、名古屋帯での「太鼓結び(一重)」を解説します。


帯の結び方1.「太鼓結び(一重)」

  1. ①帯の幅が半分の方を、後ろから左肩にかけ、身体の幅よりも少し長めに身体の前にたらします
  2. ②後ろの帯の部分を、背中の真ん中から折り上げ(柄が外に見えるように)お腹周りに2周巻き、脇の部分から斜めに折り上げます。(帯板にベルトがついていない板状の場合は、1枚目と2枚目の間に挟みます。)
  3. ③左肩にかけていた部分を左手に持ち、身体に巻き付けていた幅の広い方を右手にして、幅の広い方が上にくるようにねじり締めて、幅が細い方を帯の後ろから前に沿わせておきます(落ちないように着物クリップで留める)
  4. ④後ろの幅の広い帯を広げる
  5. ⑤帯揚げを巻いた帯枕をお太鼓の見せたい部分に沿わせて、広げた帯と帯枕を③でねじって山になった部分にのせます
  6. ⑥帯枕の紐を、帯枕が動かないように体の前の部分でしっかり結び、帯揚げは、帯を締めるときに邪魔にならないように軽く結んでおく
  7. ⑦仮紐を、背中のお太鼓の下の部分の内側に当てて、垂れている帯を内側に入れていきます
  8. ⑧たれを人差し指分の長さで残して、仮紐を結びます
  9. ⑨着物クリップで留めていた幅の細い方の帯を、お太鼓の中の仮紐に沿わせて「左右1cmほど」出ている状態にします
  10. ⑩帯締めを、お太鼓の中に入れた幅の細い方の帯の上にくるよう通して、前でしっかり締めます(緩いとお太鼓が落ちるので注意)
  11. ⑪帯締めを締めたら、仮紐を外し、帯揚げを三つ折りにして、結び目が縦になるように結び、端の部分は帯の中に入れます
  12. ⑫お太鼓の形を整えます


帯の結び方2.「帯締めの結び方」


帯締めの結び方もご紹介します。


  1. ①帯締めを結ぶ時は、帯の中心の高さで結びます
  2. ②帯締めを交差させて、上に出ている方を輪にしてもう片方を輪に通して結びます
  3. ③帯締めが平たくなるように結び、残っている帯締めの先の部分は、帯と帯締めの間に挟む

帯締めや帯揚げは、結び方のバリエーションが豊富です。



4.まとめ


今回は、着物初心者でもできる着物の着付けの方法や、帯の結び方を徹底解説しました。


  • ・着物の着付けは、着付けを始める前から準備をする
  • ・肌襦袢を着た後の、補正は大切
  • ・使用頻度の高い帯の結び方をマスターしましょう

着物の着付けは、色々な方法があり、道具によって着物の着付けや帯も結びやすくなります。

最初は大変かもしれませんが、何度も着るうちに慣れてきますし、自分にとって着やすい着方も見つかります。

まずは基本を押さえつつ、着やすくて着崩れしない方法を身につけていきましょう。


まるやま・京彩グループでは、着物好きの皆さんがステキな着物ライフを送れるよう、お役立ち情報発信をしていきます!

着物のことをもっと知りたい、着物をもっと楽しみたい、そんな声にお応えするブログを目指しています。