着方レッスンコラム基本知識編
男性着物の着付け!帯の結び方や羽織の必要性も徹底解説!
2024.05.01
こんにちは!
「着たい人を、着る人に」
まるやま・京彩グループです。
女性が着物を普段から楽しんでいる姿は、少しずつですが多くなっていると思います。
ですが、男性は?というと、敷居を高く感じてしまうのか、「二十歳の集い(成人式)」での紋付き袴姿しか、見かけないような気もするのですが…それも少し寂しいですよね。
女性の華やかな着物姿も素敵ですが、男性の着物姿も凛々しくてとても素敵だと思います。
そこで今回は、男着物の着付け方法と、道具や帯の結び方、羽織は必要なのかをご紹介します。
目次
1.男着物の着付けの道具を紹介
男性用の着物の着付けをするための道具を紹介します。
着付けを始めるためには、まずは道具を用意しておきましょう。
①男性用の着物の着付けに必要な着物や肌着
男着物の着付けをするときに、必要な着物や肌着をご紹介します。
- ・着物
- ・襦袢(半衿付き)
- ・帯
- ・足袋
- ・下駄(雪駄)
- ・肌着(Vネックの肌着で代用も可。ステテコ・股引・スパッツなど)
着物を着る場面(シーン)によって、羽織や袴の用意も必要です。
羽織を着る場合は、羽織の用意もしておいてくださいね。
②男性用の着物の着付けに必要な道具(アイテム)は?
男性用の着物の着付けに必要な道具(アイテム)をご紹介します。
- ・腰ひも×2本
- ・着物クリップ(あれば)
男性用の着物の着付けの場合、揃えないといけない道具は、多くありません。
女性用の着付け道具の腰ひもを2本借りれば、男着物の着付けができますので、男性も気軽に着物を楽しんでくださいね。
2.男着物の着付け方法を紹介
男性用の着物の、着付け方法を紹介します。
男性の着物の着付けは、女性の着付けほど道具も使いませんし簡単です。
①男性用の着付け「下から順に肌着を着る」
- 1)足袋を履く
- 2)ステテコ(スパッツなど)を履いて、肌着を着る
男性用の着物の着付けも、女性用と同じように、下から着用します。
足袋を最初に履いて、コハゼ(足袋についている金具)も下から順にはめていきましょう。
②男性用の着物の着付け「襦袢を着る」
- 1)襦袢を羽織るように、片袖ずつ腕を通す
- 2)背縫い(背中)の部分が、背骨の部分(体の中心)に来るように合わせる
- 3)右の衿元を、右の身ごろの褄先を少し上げるように、左の腰骨に添わせる
- 4)左上前は、右腰に持ってくる
- 5)腰紐を腰骨の上の部分で、腰ひもの真ん中が正面に来るように、前から後ろに回して、前にきた両端を正面か少し横にずらして締める(結び目を正面からずらす)
- 6) 背縫いの部分が中心に来るように、合わせる
- 7) 腰紐周りのシワを、脇に寄せて取っていく(背中も忘れずに)
襦袢の上に着物を着るので、ゴワゴワしないように、シワをしっかり脇に寄せておきましょう。
腰紐の結び目は、着物を着た時に締める腰紐の結び目と重ならないように少しずらして結ぶことがおすすめです。
結び目が重なると、結びの目の部分が圧迫されて、着物を着た時に気になってしまいます。
外出を楽しめなくなってはいけませんので、結び目は重ならないように注意しておきましょう。
また浴衣の場合、襦袢や足袋は不要ですが、汗対策として「タンクトップやVネックの袖なし肌着」を着用しましょう。
③男性用の着物の着付け「着物を着る」
着物の着付けは、襦袢の着方とほぼ同じです。
- 1)着物を羽織って、襦袢の袖を手に持って、片袖ずつ腕を通す
- 2)背縫い(背中)の部分が、背骨の部分(体の中心)に来るように合わせる
- 3)右の衿元を、右の身ごろの褄先を少し上げるように、左の腰骨に添わせる
- 4)左上前は、右腰に持ってくる
- 5)腰紐を腰骨の上の部分で、腰ひもの真ん中が正面に来るように、前から後ろに回して、前にきた両端を正面か少し横にずらして締める
- 6)背縫いの部分が中心に来るように、襦袢に合わせる
- 7)腰紐周りのシワを、脇に寄せて取っていく(背中も忘れずに)
男着物は、着丈(着物を着た時の丈)に合わせて作られているので、「おはしょりを押さえて、ずれないように」と、気を遣うこともありません。
「腰ひもをきつく締めすぎないこと」を注意しておけば、簡単に着用ができるので、男性もぜひ着物の着付けに挑戦してみてくださいね。
3.男着物の着付け方法、帯の結び方を紹介
男性用の着物の着付け、帯の結び方を紹介します。
男性用の帯の結び方は、女性ほどバリエーションが豊富ではありません。
代表的な結び方を知っておけば、第一礼装を着るときだけでなく、普段着のときにも結べますよ。
①男性用の着物の帯の結び方「貝の口結び」
男性用の着物の帯の結び方「貝の口結び」をご紹介します。
貝の口結びは、袴を着用するときの帯の結び方ですから、知っておけばとても便利ですよ。
- 1)帯の片方を40cmくらい半分に折る(折り目は開いた三角になるように)
- 2)折った部分が下になるように、左肩に折った部分を乗せ、開いて三角にした部分を、背中の中心の腰ひもの部分に置く
- 3)帯の幅の広い方を、胴に2~3周巻く(帯の長さによる)
- 4)広い方の帯を、内側に折りこむ(背中の中心から40~50cmくらいになるように)
- 5)内側に折りこんだ部分がズレないように、着物クリップで整える
- 6)左肩にかけた半分の幅の帯を下におろし、幅の広い方の帯で半分の幅の帯を下から上に巻くように折り上げる(この時、幅の広い帯が左上、幅が半分の方は左下)
- 7)帯の広い方を右手に持ち、幅が半分の方を左手にして、ねじるように引っ張って締める
- 8)幅の広い方を下側に向けて、内側に折りこみ、端の部分が左上になるようにする
- 9)幅が狭い方の帯を、内側に折りこんだ間に通して締める
着流しの場合、これで着付けは終了です。
羽織を着るときは、肩に掛けて袖を手に持ち、腕を通しましょう。
※1)や4)の長さは、元々の帯の長さや体型によって変わりますので、長さが合わない場合は、結びなおして調整していきましょう。
②男性着物の帯結びの注意ポイント
男性用の着物を着るときの、帯結びの注意ポイントをご紹介します。
男性用の帯は、女性用の帯と比べて細いので、帯を結ぶ位置に注意が必要です。
・男性用の帯を結ぶ場所は、お腹の部分ではなく腰骨の上の部分お洋服を着るときと同じですが、男性がベルトを締める位置は「腰骨の上」のあたりではないでしょうか。
着物を着るときも、帯を締める場所はだいたい同じで「帯の上の部分がおへその下になる」ように、帯を締めます。
男性自身が着付けをするときは、おそらく自然な動きでその位置に帯を当てるのではないかと思います。
ですが、女性が男性の着付けをする場合、慣れていなければ「ウエストの細い部分」に帯を巻いてしまうこともあるかもしれません。
帯は身体の中心にあるので、視線が帯に向きます。
その時に、帯が上の部分にありすぎると「なんとなく違和感が…」ということになってしまうかもしれません。
帯だけでなく、着物の着付けの時に「腰ひも」を使います。
腰紐は、帯の下で結んだままでほどきません。
腰紐を結ぶ位置は、着物の着付けの時から気を付けておきましょう。
4.男着物の着付け、羽織は必要?
男性用の着物の着付け、羽織は必要なのかご紹介します。
羽織は「寒い時に羽織るもの」と考えがちです。
ですが、男性が羽織を着ることは、着物のマナー上「着なければならないもの」の一つとしても考えられています。
①男性用の着物の格式をご紹介
男性用の着物の場合、羽織を着ることに決まり(ルール)があるのか気になりますよね。
決まり(ルール)については、着物の格式を知れば、分かりやすいと思います。
男性用の着物にも、女性用の着物と同じように格式があります。
ただし、女性用ほど難しいものではないので、気軽に考えてみてくださいね。
- ・第一礼装…黒羽二重五つ紋付き(黒紋付袴)
- ・略礼装(準礼装)…色紋付・お召一つ紋付・三つ紋付
- ・外出着・普段着…紬(着物+羽織)やウール
男性用の着物は、「紋」が付いている着物は、フォーマルな場で着用します。
「紋」の数によって、格式が上がると考えてもいいでしょう。
②男性用の着物の羽織は、外出する際には必要
男性用の着物の格式を見れば、第一礼装や準礼装で「着物+羽織+袴」とあり、外出着でも「着物+羽織」です。
洋服で言えば、スーツと同じ感覚で「ジャケット=羽織」と、考えればわかりやすいかもしれませんね。
- ・公式な場に出席する
- ・目上の方の家に招かれる
上記の場合は、羽織は必要なものと考えた方がいいでしょう。
ただし、羽織が必要のない場合もあります。
着流しでの外出として、下記のような場合もありますよ。
- ・花火大会
- ・お祭りなど
このようなケースの時は、羽織は無くても大丈夫でしょう。
着物と羽織を着こなしていると、「きちんと感」が出るので、公式の場に行く場合は、着用しましょう。
5.まとめ
今回は、男着物の着付け方法と、道具や帯の結び方、羽織は必要なのかをご紹介しました。
- ・男性用の着物は、着付けが簡単
- ・道具もそこまで必要ではない
- ・羽織はフォーマルウェア、公式な場では必要
男着物は、女性用の着物ほど、道具の用意や着付けが大変ではありません。
男性も「粋」に、着物生活を楽しんでくださいね。
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