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着方レッスンコラム基本知識編

着物の美しさを保つ!着物を長持ちさせるためのクリーニングと収納のポイント

2024.09.04

こんにちは!


「着たい人を、着る人に」


まるやま・京彩グループです。


夏の終わりが近づき、着物の衣替えやクリーニングを考える季節がやってきました。 今年もたくさんの思い出とともに、夏の着物を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。


お気に入りの着物を美しく保つためには、季節の変わり目に適切なケアと収納を行うことが大切です。


今回は、夏の着物を長持ちさせるためのクリーニングや収納のポイントを詳しくご紹介します。
これから秋に向けての準備をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。



1. 着物の収納場所:どこに収納するのがベスト?


着物を長期間美しく保つためには、収納場所の選定が非常に重要です。
伝統的に桐ダンスは、湿度を自然に調整する木材として着物の保管に適していますが、現代の一般家庭では桐ダンスを所有しているケースは少なくなっています。


そのため、クローゼットやタンスを利用して、着物を良い状態で保管する方法をご提案します。


クローゼットの利用

クローゼットは、多くの家庭で使われる収納スペースです。着物を保管する際には、まずクローゼット内の環境を整えることが大切です。
直射日光を避け、湿度が高くならないようにします。湿気対策として、乾燥剤や除湿剤をクローゼット内に配置しましょう。


また、通気性の良い収納ボックスや布製の収納袋を活用することで、さらに保管環境を整えることができます。湿気がこもらないように、定期的に扉を開けて風を通すことも効果的です。


タンスでの保管

タンスを使用する場合も、風通しが良く、湿気がこもらないように工夫することが必要です。
タンスの底には乾燥剤を置き、上部には防虫剤を配置することで、湿度と虫害をコントロールします。


また、着物を重ねすぎず、たとう紙に包んで収納することで、湿気や汚れから守りつつ、長期間にわたり着物を良好な状態で保管できます。


2. 着物のお手入れ方法


着物を長持ちさせるためには、定期的なお手入れが不可欠です。以下に、着用後の処理からクリーニング、そして日常的なメンテナンスについて詳しく説明します。


着用後の処理

着物を長持ちさせるためには、着用後の適切なお手入れが欠かせません。まず、着物に付着したホコリや軽い汚れを取り除くために、着物専用のブラシを使用します。


専用のブラシがない場合は、柔らかい白い布を代用として使用することも可能です。白い布を選ぶ理由は、色移りを防ぐためです。布やブラシで優しく撫でるようにしてホコリを払い、特に襟元や袖口など汚れが溜まりやすい箇所は念入りにチェックしましょう。


万が一、汚れやシミが見つかった場合は、無理にこすらず、早めに専門のクリーニング店に相談することが大切です。こすってしまうと、汚れが繊維に染み込み、除去が困難になることがあります。


ホコリを除去した後は、風通しの良い場所で陰干しを行います。そうすることで、着物に残った湿気を取り除きます。陰干しの際は、直射日光に当てず、日陰でゆっくりと乾燥させることで、色あせや生地の劣化を防ぐことができます。


専門クリーニングの必要性

着物はデリケートな素材が多く、家庭での洗濯は避けるべきです。特に絹の着物は、専用のクリーニングが必要です。専門のクリーニング店では、着物の生地や染色に合わせた洗浄方法を用いるため、色褪せや縮みを防ぎます。


また、シミや汚れがある場合は、しみ抜きサービスを併用すると良いでしょう。クリーニング後は、たとう紙に包んで保管することで、着物を長持ちさせることができます。


定期的なお手入れ

定期的に着物を取り出し、状態を確認することが重要です。年に1,2回程度は、着物を風通しの良い場所に広げて湿気を飛ばし、シワやカビが発生していないかチェックします。


特に梅雨時期や湿度の高い季節には、この作業が必要です。長期間保管している着物でも、定期的なお手入れを行うことで、美しい状態を保つことができます。




3. 収納方法


着物を収納する際のポイントは、たとう紙の使用、正しいたたみ方、そして湿気や虫除け対策です。これらを正しく行うことで、着物の劣化を防ぎ、長く美しい状態を保てます。


たとう紙の重要性

たとう紙は、着物を保護するために欠かせないアイテムです。たとう紙は湿気を調整し、着物を埃や汚れから守るだけでなく、酸化による色褪せを防ぐ効果もあります。


特に絹の着物は、たとう紙に包むことで風合いや色合いを保つことができます。たとう紙が手元にない場合は、通気性の良い布に包むことでも代用できます。


正しいたたみ方

着物を長期間保管する場合、正しいたたみ方で収納することが重要です。たたみ方に気をつけないと、シワや型崩れが発生する可能性があります。


着物をたたむ際は、折り目が均等になるように心がけ、シワを防ぐために慎重に作業を行いましょう。定期的にたたみ直しを行うことで、シワの固定化を防ぎます。


湿気と虫除け対策

着物を収納する際には、湿気と虫除け対策が重要です。

理想的な保管環境は湿度40%から60%、温度15℃から20℃です。湿度が高すぎるとカビが発生しやすく、低すぎると生地が乾燥してしまいます。 クローゼットやタンスには乾燥剤や除湿剤を設置し、湿度を適切に管理しましょう。


また、防虫剤は、着物に直接触れないよう紙や袋に包んで使用します。防虫剤は上部に置くと効果的です。

これらのアイテムは季節ごとに交換し、特に湿度が高くなる梅雨や夏場には、定期的に保管環境をチェックすることが大切です。


4. 小物類の収納とケア


着物を着用する際に欠かせない帯や草履などの小物類も、適切に保管することで長持ちさせることができます。それぞれのアイテムに合わせた保管方法を見ていきましょう。


帯の収納方法

帯は、たとう紙に包んで湿気や埃から守りながら保管しましょう。たたむ際は、シワがつかないように丁寧に折り畳み、他のアイテムと重ならないように収納します。


帯は形状を維持するためにも、重ねすぎないようにすることがポイントです。


草履やその他の小物の保管

草履やバッグなどの小物類は、形が崩れないように専用の箱や袋に入れて保管します。特に草履は、湿気がこもらないように注意し、防虫剤を使用して虫害から守ります。


その他の小物類も、それぞれの形状や素材に合った方法で保管することが大切です。湿気の多い季節には、乾燥剤を併用することで、小物類の劣化を防ぐことができます。

大切な着物を次世代にまで受け継ぐために、ぜひ日々のケアと適切な保管に心を配りましょう。



まるやま・京彩グループでは、着物好きの皆さんがステキな着物ライフを送れるよう、お役立ち情報を発信していきます。


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