着方レッスンコラム基本知識編
着物が汚れた!ありがちトラブルの乗り越え方教えます
2025.01.29
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こんにちは! 「着たい人を、着る人に」 まるやま・京彩グループです。
着物で外出した時にありがちなのが、食べこぼしや泥などの汚れトラブルです。着物を傷めずに汚れを落とすには、落とし方のコツをおさえておく必要があります。
本記事は、着物で外出中などにありがちな汚れと、その落とし方を解説します。着物をいつまでもきれいに着ていたい方・汚れトラブルにも落ち着いて対応できるようになりたい方は、ぜひご覧ください。
目次 [hide]
食べこぼしや化粧品などの油性の汚れ
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食べこぼしや口紅などの汚れは油分に分類されます。油分汚れはお湯などで洗うと溶けて広がってしまいます。落とす際は、こすらないように注意しつつ、以下の手順できれいにしましょう。
- 1.固形物などをティッシュでつまむように取り出す
- 2.ティッシュかタオルでシミの広がりを押さえるようにポンポンと取る
- 3.専門のクリーニング店にシミ抜きを依頼する
油汚れは専用の溶剤を用いないと落とせません。きれいに落とすにはプロの力が必要です。応急処置でも落としきれない場合は、すぐに着物専門のクリーニング店にシミ抜きを依頼しましょう。
暖かさとカッコよさを両立させるアイテムとテクニック
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コーヒーや醤油などの汚れは水性です。食器洗い用の中性洗剤で落とせます。応急処置したい場合は、濡れタオルまたはウェットティッシュを軽く当てて、汚れを吸い取らせるといいでしょう。
なお、汚れを吸い取らせる際は強くたたくと汚れを着物の繊維にしみ込ませてしまいます。水分を取るよう、軽くポンポンと叩いて汚れを写し取るようにするのがポイントです。汚れがうまく取れない場合は、専門のクリーニング店に相談しましょう。
赤ワインのシミはプロでも難しい
なお、水性の汚れの中でも特に落とすのが難しいと言われているのが、赤ワインのシミです。赤ワインの成分は染料のように作用するものがあり、プロでも落とせないことがあります。
飲み物を絶対にこぼさない、というのは難しいでしょう。赤ワインを飲む機会が想定される場合は、着物は避けた方が安全です。どうしても着て行かなくてはならない場合は、最悪汚れてもいい着物を選ぶことをおすすめします。
そのほかの汚れの落とし方
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汚れは基本的に油性または水性の性質があるため、基本的にはこれまで解説した内容で対応できます。しかし、汚れやその成分によっては、別の対応も必要です。そのほかの汚れの落とし方も知っておきましょう。
卵や血液汚れが付いた場合
卵や血液などのたんぱく質が含まれている汚れは、高熱で汚れが固まります。熱湯や暖かいおしぼりは厳禁です。水で濡らしたタオルなどでそっと水分を拭き取りましょう。シミが残ってしまった場合、気になるようなら以下の方法で落としてみましょう。
- 1.中性洗剤を15倍ほどに薄めた水を作る
- 2.着物のシミのある部分の下に汚れてもいい布を広げる
- 3.1で作った水を柔らかい布にしみこませ、2の布に汚れを落とすように軽く叩く
なお、この方法で落とせる汚れには限界があります。うまくいかない場合は専門のクリーニングにできるだけ早めに持っていき、シミ抜きを依頼してください。
汗や雨雪の水分が付いた場合
汗や雨雪の水分は、素材によっては黄ばみや水シミになります。一見汚れていないように見えても後でシミになる可能性があるため、速やかに取り除きましょう。
ポツンと水滴が付いた程度なら、乾いた両手でそっと挟めば手の熱で乾いてしまいます。着物がしっとりするほど濡れてしまった場合は、きれいなタオルなどで挟んで水分を吸い取りましょう。
また、湿気があると着物は傷みやすくなります。着たあとは陰干しして完全に乾いた状態にしてからしまうようにしてください。
泥や一部のお茶類が付いた場合
泥や抹茶などの粉を解いて作るタイプのお茶が着物に付くこともあります。このとき、慌てて他の汚れと同じように叩いて落とそうとすると、着物の繊維に汚れを叩きこんでしまいます。
粉末が攪拌してできた汚れが付いたときは、水分が乾くまで待ちましょう。完全に水分がなくなれば、後は泥の土や抹茶の粉だけになるため、手で軽く揉めば簡単に落とせます。無理に落とさない方がいい汚れもあることを知っておきましょう。
まとめ
着物に汚れがついたら、まずはどんな汚れかを確認しましょう。汚れはそれぞれ成分ごとに適切な落とし方があります。焦って適当に落とそうとすると、かえって落ちなくなる場合もあるため、落ち着いて行動しましょう。どうしてもうまく落とせない場合は、できるだけ早めに専門のクリーニング店に相談してください。
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