きものを「着たい人」を「着る人」に。まるやま・京彩グループ

着方レッスンコラム基本知識編

汗対策で着物を守る!着物と汗にまつわるケア方法と快適に過ごすためのヒント

2024.10.09

こんにちは! 「着たい人を、着る人に」 まるやま・京彩グループです。


夏から秋への変わり目で、残暑が続く日々。そんな季節の中でも、着物を快適に楽しみたいと考える方も多いでしょう。


この時期はまだ蒸し暑さが残るため、汗対策が必要ですが、それでも季節の変わり目を楽しみながら、快適におしゃれな着物を着こなす工夫を取り入れましょう。


1. 汗をかきそうな日に着物を着る時の工夫


汗を吸ってくれる下着を着用する

まず、肌と着物の間に直接汗が染み込まないようにすることが基本です。和装用の下着として、「和装ブラ」や「和装用肌着」が市販されています。


これらは着物のシルエットを整えるだけでなく、汗を吸収する素材が使われているため、着物を保護する役割も果たします。特に、汗をかきやすい夏場や動きが多い日は、通気性と吸水性に優れた素材を選ぶと、肌のベタつきを防ぎ、快適に過ごせます。


肌着の素材としては、麻や綿が最適です。麻は通気性が良く、涼感を保つ効果があり、綿は汗を吸収しやすいため、蒸れにくく快適です。また、化繊の素材は乾きやすいので、汗をかいてもサラッとした状態を保ちやすいメリットがあります。


汗取り専用の和装用インナーや、吸汗速乾機能のついた肌着を使うことも効果的です。


通気性の良い素材を選ぶ

次に、着物自体や小物の素材選びも重要です。着物にはさまざまな素材がありますが、夏場には麻や絽(ろ)、紗(しゃ)など、軽くて通気性の良い素材が推奨されます。


麻は特に夏の定番素材で、熱がこもりにくく、汗をかいてもさらっとした着心地が続きます。絽や紗といった薄手の織物は、空気の通りが良く、風が通り抜けやすいため、暑い日でも快適です。


帯や帯揚げ、帯締めといった小物類も、涼感を意識した素材や色味を選ぶとさらに効果的です。絹や綿の帯は柔らかくて涼しげな見た目と着心地を提供してくれますし、淡い色や青系統の色を使うことで、見た目にも涼しさを演出できます。


暑さ対策アイテムを活用する

暑さ対策のために、扇子や帯下に保冷剤を忍ばせるなどの工夫も効果的です。扇子はおしゃれなアクセサリーとしても役立ちますし、暑い中で風を送って体を冷やす役割も果たします。


また、帯の間や襟元に保冷剤を入れておくと、体を冷やしながら過ごすことができます。近年では、薄型の保冷アイテムや携帯用のミストスプレーも登場しており、汗をかきやすい日に便利です。


これらの工夫を取り入れることで、暑い日でも快適に着物を楽しむことができ、汗の問題を大幅に軽減できます。


2. 汗がついた着物の正しいお手入れ方法


汗がついた着物のお手入れは、特に絹の着物にとって非常に重要です。


汗を放置すると、黄ばみやシミ、カビ、さらには生地の劣化を引き起こすリスクがあります。これを防ぐためには、適切で迅速なケアが欠かせません。


1. 早めの対処

汗がついたまま放置すると、汗に含まれる塩分や皮脂が生地にダメージを与え、黄ばみやシミができやすくなります。
特に絹は吸湿性が高く、汗を吸収しやすいため、放置するとカビや悪臭の原因になります。


着物は一度ダメージを受けると修復が難しい場合が多いので、汗をかいた後は早めの対処が必要です。


2. 自宅でできる基本ケア

着物を脱いだら、まずは風通しの良い場所で陰干しして湿気を飛ばしましょう。汗が乾燥しても、湿気を含んだまま収納するとカビが発生しやすくなります。


もし、汗がついた部分が気になる場合は、湿らせたタオルで軽く叩くようにして汗を取り除きます。この時、絶対にこすらないようにしましょう。強くこすると、生地が傷んだり繊維が壊れてしまうことがあります。

特に脇や襟、背中など、汗が染み込みやすい部分は念入りにケアを行います。


3. 専門家に相談が必要な場合

もしシミができてしまった場合や、黄ばみが目立つ場合は、自宅で無理に処理せず、専門のクリーニング店に相談することをおすすめします。自分で洗剤や漂白剤を使うと、生地を傷める可能性が高くなります。


注意点

・強くこすらない: 着物の汗ジミや汚れを取る際は、強い力でこすらないようにします。絹などのデリケートな素材は特に傷みやすいので、やさしく叩いて処理します。


・長期間放置しない: 汗をかいたまま放置して収納すると、生地にシミが定着し、取り除くのが非常に困難になります。夏場や湿気が多い時期は特にカビのリスクが高まるため、着物を脱いだらすぐに陰干しして湿気を飛ばしましょう。


このように、着物を長持ちさせるためには、こまめなお手入れと正しい方法でのケアが大切です。


3.プロの「汗抜き」と着物の長持ち方法


自宅でのケアに限界を感じた場合や、特に大切な着物の場合は、専門のクリーニング店に依頼する「汗抜き」処理を検討するのが良いでしょう。


プロが行う「汗抜き」とは?

「汗抜き」とは、着物の生地に染み込んだ汗や皮脂を専門的な技術で取り除くクリーニング方法です。


汗は無色透明な場合が多く、すぐには目に見えないことがほとんどですが、時間が経つにつれて生地に影響を与え、黄ばみやシミの原因になります。プロによる汗抜きは、着物全体を適切に処理するため、見えない汚れも徹底的に除去できます。


特に高価な着物や、結婚式や成人式などの大切な行事で着た着物は、プロの手に委ねてしっかりとメンテナンスを行うことが推奨されます。


着付け教室で学ぶお手入れの方法

また、季節に応じた着こなしやお手入れ方法を学びたい方は、着付け教室に通うことも一つの選択肢です。


着付け教室では、基本的な着物の扱い方だけでなく、汗や汚れに対する対処法や、季節に応じた素材選びなど、実践的な知識を得ることができます。


教室で学んだ知識を活かして、日常のケアや保管方法を工夫することで、着物をより長持ちさせることができます。


4.終わりに

汗と着物の関係はデリケートですが、適切な対策とお手入れを行うことで、大切な着物を美しい状態で保つことができます。


汗をかきやすい時期でも、工夫次第で快適に着物を楽しむことが可能です。暑さ対策アイテムやプロの汗抜きクリーニングを上手に活用し、着物を長く愛用していきましょう。


まるやま・京彩グループでは、着物好きの皆さんがステキな着物ライフを送れるよう、お役立ち情報を発信していきます。


着物の選び方や着こなしについて、もっと詳しく知りたい方は、ぜひまるやま・京彩グループの着付け教室、無料体験レッスンにお越しください。


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