着方レッスンコラム基本知識編
着物を着る時の下着は何を着る?和装に適した肌着の選び方
2024.07.10
こんにちは!
「着たい人を、着る人に」
まるやま・京彩グループです。
着物(和装)を着るときの下着(肌着)はどのようなものを選んだらいいのか、迷うこともありますよね。
着物初心者さんや、追加で購入したいけれど、どのような種類があるのかわからない、という人もいるかもしれません。
そこで今回は、着物を着る時の下着は何を着ればいいのか、和装に適した肌着の選び方をご紹介します。
目次
1.着物を着るときの下着(肌着)は何を着る?
着物を着るときの下着(肌着)は、どのような種類があるのでしょうか。
①着物の肌着と下着の違いはある?
そもそも着物の肌着と下着の違いは、あるのでしょうか。
着物を着る時の肌着と下着の違いは、「有るようで無い」と言ってもいいかもしれません。
1)洋装の時の肌着と下着の違いは?
洋装の場合で、肌着と下着を考えてみれば、下記のような区別になるのではないでしょうか。
洋装の場合は、肌着と下着の区別がありますから、わかりやすいですよね。
2)着物(和装)の時の、肌着と下着の違いは?
着物(和装)の時の、肌着と下着は特に区別はされず、一括りで紹介されることが多い傾向があります。
その理由は、洋装が入る前の生活では、パンツやブラジャーを付けずに生活をしていたからです。
ただし「湯文字(ゆもじ)や二布(ふたの)」と呼ばれる腰巻を着用して生活をしていました。
湯文字と二布が、今で言う「パンツ(下着)」と呼ぶものだったのかもしれません。
和装(着物)の時の下着や肌着の区別は特にありませんが、洋装の時の肌着と下着の区別を参照しながらの方がわかりやすいと思いますので、下記で紹介していきますね。
②着物の下着(肌着)「和装ブラジャー」
昔の女性たちは着用していませんでしたが、洋服が普段着となりつつあったころから、ブラジャーは着用され始めていました。
そのため、現在でも着物を着るときは「洋装用のブラジャー」を着用して、着物を着る人も多いです。
ですが洋装用のブラジャーは、ワイヤーが入っていたり、カップが立体的なため、着物を着る時には、あまりおすすめではありません。
そのため、着物を着るときは「和装ブラジャー」を着用する人が多いのです。
和装ブラジャーは、胸を押しつぶすものという印象を持っている人もいるかもしれません。
ですが和装ブラジャーは、補正パットが付いているものもあり、フェイスタオルで補正をおこなう必要が無くなります。
さらにワイヤーが無くても、しっかりと支えてくれるので、胸元が苦しくなることはありません。
ただし和装ブラは直接肌に付けますが、「肌襦袢の変わり」という訳ではなく、下記の順番で着用します。
位置づけとしては、和装ブラジャーは「下着」と考えてもいいかもしれませんね。
③着物の肌着(下着)「肌襦袢」
着物の肌着(下着)の事を「肌襦袢(はだじゅばん)」といいます。
昔ながらの「小さい袖が付いていて、身体の前で合わせて、紐で結ぶもの」が一般的ですが、最近では、下記のタイプの肌襦袢もあります。
洋装で言えば、タンクトップやキャミソールにも似ていますから「肌着」と言ってもいいかもしれません。
補正ができる物もありますので、お好みのものを選んでみてくださいね。
④着物の肌着(下着)「裾除け(蹴出し)」
肌襦袢と対になる、腰から下に着る「裾除け」です。
「蹴出し」とも呼ばれますが、「裾除け」という呼び名の方がメジャーかもしれません。
裾除けは、巻きスカート(腰巻)のような形をしていますが、近年では下記のようなタイプのものもあります。
季節によって、色々なタイプを使い分けることがおすすめです。
パンツ(ステテコ)タイプの裾除けは、股上までの長さのあるタイプだと、帯を締める部分まで干渉してしまい、お手洗い(トイレ)に行きにくくなるので、帯を締めるときはなるべく巻き込まないように気を付けましょう。
⑤着物の肌着(下着)「ワンピースタイプ」
肌着物の肌着として、肌襦袢と裾除けが一つになった「ワンピースタイプ」もあります。
一枚で着用ができるので、着付けがとても楽になりますよ。
脇や背中の部分が、汗を吸い取るために生地が厚くなっているものもありますので、お好みの肌着(下着)を選んでくださいね。
⑥着物の肌着「長襦袢」
外側に着る着物の下と、肌襦袢の上に着る肌着が長襦袢です。
夏場に着用する「単衣(ひとえ)」と、それ以外の季節に着用する「袷(あわせ)」の長襦袢があります。
長襦袢は、肌着の扱いとなりますが、下着とは違い、完全に隠すものではありません。
長襦袢の衿は、一番上に着る着物の衿元から覗いているので、半襟や飾り衿で華やかさをプラスさせることも可能です。
強いて言うなら「見せる肌着」とも言える肌着かもしれませんね。
2.着物の肌着や下着はどのような素材がある?
着物の肌着や下着は、どのような素材があるのでしょうか。
肌着や下着は、直接肌に触れる布地ですから、肌の負担にならなくて、過ごしやすい素材を選びたいですよね。
①着物の肌着(下着)に使われている素材「天然素材」
天然素材の着物の肌着(下着)は主に、下記になります。
綿や麻は、吸湿性もよく、肌触りが良いので、夏場は気持ちよく過ごせます。
水に強いため、ご家庭の洗濯機でも洗うことが可能ですが、絡まりやすいので「洗濯ネット」に入れて、洗濯をすることがおすすめです。
ただし「乾き」に関しては、化学繊維の方が早く乾く素材の肌着(下着)もあるので、汗の量によって、使い分けてもいいですよね。
②着物の肌着に使われている素材「化学繊維」
化学繊維は、快適に過ごせるように開発されたものが多いので「この素材の特徴はコレ」と紹介しがたいものがあります。
名称としては下記と表記されているものが多いのではないでしょうか。
下記の機能に優れているものが多いので、お洋服を着用している時にも、よく使われている方も多いのではないでしょうか。
夏場の暑い時だと、汗を吸い取る吸湿性や通気性・速乾性であるものが好まれますし、冬場では「保温性」の高いものが好まれます。
ただし、化学繊維が肌に合わないという人もいますので、その場合は、天然素材の肌着や下着を活用していきましょう。
3.和装に適した肌着(下着)の選び方
下に着用する肌襦袢や裾除けは、基本的にお手持ちのもので大丈夫ですが、追加で購入したいと思う場合は、参考にしてみてくださいね。
3.和装に適した肌着(下着)の選び方
和装(着物)は、着用するシーン(場面)によっても素材が変わりますので、素材や状況によって、選ぶ肌着(下着)も変わってくるのではないでしょうか。
1)フォーマルな場面での和装(着物)に適した肌着(長襦袢)や下着の選び方
フォーマル時の和装は、正絹の着物が多いので、長襦袢も着物に合わせて、正絹の長襦袢(肌着)を選びましょう。
ただし長襦袢の下に着る肌襦袢は、汗を良く吸う素材のものがおすすめです。
理由は、下記になります。
正絹の着物は、水で縮みやすいので、専門店でのお手入れが必須になります。
そのため、汗の吸収を肌襦袢で食い止めておくと、自宅でのお手入れが楽になりますよ。
2)普段の和装(着物)の時の肌着(長襦袢)や下着の選び方
普段の和装(着物)の時の肌着(長襦袢)は、お手入れのしやすい化繊の長襦袢がおすすめです。
正絹の長襦袢だと、少しの汚れでも専門のクリーニング対応になります。
ですが化繊の長襦袢は、多少であれば自宅でのお手入れも可能です。
そして近年は、洗える着物(浴衣)も販売されていますが、昔から着用している着物は、化繊が素材の着物でも、自宅でのお手入れは大変です。
ですので、普段の和装(着物)の時の肌着(下着)は、下記のような素材のものを選びましょう。
普段着は、毎日着用できるので、お洗濯の回数も多くなります。
「丈夫で長持ち」するものを、選べば頻繁に買い替えることもありませんので、おすすめですよ。
1)フォーマルな場面での和装(着物)に適した肌着(長襦袢)や下着の選び方
季節で変わる和装に適した肌着(下着)の選び方
着物を着る季節によっても、適切な肌着(下着)の選び方は変わります。
1)暑い季節の和装に適した肌着(下着)の選び方
暑い季節の和装(着物)に適した肌着(下着)は、汗を吸うだけでなく、風を通す通気性の良い素材を選ぶことが大切です。
「肌に合う合わない」もありますが、その時の状況によって肌着(下着)の組み合わせを考えていきましょう。
2)寒い季節の和装(着物)に適した肌着(下着)の選び方
寒い季節の和装(着物)に適した肌着(下着)の選び方には、注意が必要です。
注意ポイントとして「着こみすぎない」ということが挙げられます。
寒い季節での和装(着物)の場合は、下記のような肌着(下着)の組み合わせをおすすめします。
寒いからと言って、お洋服の時と同じように肌着(下着)を着ることはおすすめしません。
なぜならば、上記のように重ね着をすれば、下記のデメリットがあるからです。
和装(着物)は、洋装の時と違い「暑いから・汗をかいたから脱ごう」ということができませんので、肌着や下着での重ね着は控えることをおすすめします。
和装(着物)の時の、防寒対策は肌着(下着)で行わず、羽織やコートを羽織ることが対策になります。
さらに、着崩れをしないように「しっかりした着付け」を行っていれば、着崩れた隙間から風が通ることもないので、暖かく過ごすことができますよ。
4.まとめ
そこで今回は、着物を着る時の下着は何を着ればいいのか、和装に適した肌着の選び方をご紹介しました。
着物(和装)を楽しむためには、土台となる肌着(下着)を、その時の状況に合わせて選ぶことも大切です。
ただ、肌着(下着)は肌に直接触れるものですから、お肌に合った肌着や下着を選んでくださいね。
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