着方レッスンコラム基本知識編
【着物初心者必見】シーン別帯の種類と簡単な結び方を紹介
2024.04.24
こんにちは!
「着たい人を、着る人に」
まるやま・京彩グループです。
着物の帯には、色々な種類がありますよね。
呉服屋さんの前を通れば、華やかな帯が着物と組み合わされていたり、梅雨の時期には、浴衣と帯がセット販売されているシーンもよく見かけます。
浴衣と帯の組み合わせは、なんとなくわかるものの、他の帯や着物の組み合わせにルールはあるのか、迷うこともありますよね。
今回は、着物初心者におすすめ、シーン別に使う帯の種類と簡単な結び方をご紹介します。
目次
1.着物初心者必見!シーンごとに使う帯をご紹介
いろいろなシーンで使う帯を選びますが、どの帯でも自由に使えば良いというものではありません。
帯にはいろいろな種類がありますが、シーンによって使う帯も変わりますので、覚えておきましょう。
シーン別に使う帯の種類「丸帯」
帯の中でも格式の高い帯です。
花嫁さんが着る「婚礼衣装」や第一礼装の着物に合わせて使用されますから、あまり着用する機会は無いかもしれません。
第一礼装とは、婚礼衣装・黒留袖・振袖・喪服などです。
シーン別に使う帯の種類「袋帯」
主に、第一礼装を着用している時に使用しますが、帯に使われている糸の色によっても使うシーンが変わりますので、注意が必要です。
- ・帯に金銀の糸で刺繍がされている…第一礼装
- ・帯に金銀の糸が使われていないもの…略礼装(訪問着・振袖・色留袖)、普段使い(小紋・絞りなど)
袋帯を複数持っている場合は、帯の刺繍を見て、着るときのシーン(場面)を想定しておいた方がいいかもしれませんね。
シーン別に使う帯の種類「名古屋帯」
柄のバリエーションが豊富で、普段使いやお出かけの時に使用されている帯です。
柄によっては、フォーマルな場でも着用できるので、とても便利な帯になります。
シーン別に使う帯の種類「半幅帯」
普段着や浴衣に合わせて着用します。
フォーマルなシーン(場面)には合わないので、注意しましょう。
2.着物初心者必見!帯の種類
上記でシーンごとに使う帯の種類をご紹介しましたが、それぞれの帯の特徴をご紹介します。
帯の種類「丸帯」とは
別名「広帯」とも呼ばれ、表裏が同じ織地で作られ、筒状になっています。
舞妓さんや花嫁衣装でよく使われる格式の高い帯の形で、重みや織地に厚みがあるのが特徴です。
帯の種類「袋帯」とは
丸帯は、表裏が同じ織地の為、重いというデメリットがありますが、袋帯は、そのデメリットが解消された帯です。
表が織地で、裏は別の布で縫い合わせて作られます。
第一礼装として、よく使われている帯の形です。
帯の種類「名古屋帯」とは
袋帯をとても簡単に結べるようにと作られたものが名古屋帯です。
帯の2/3くらいの長さが半分の幅で、残りの部分は袋帯と同じ幅になっています。
幅の広い部分で、帯のお太鼓を作ります。
帯の種類「半幅帯」とは
半幅帯は、袋帯の幅の半分の幅の帯です。
裏表の色が違う帯や、単色の帯があるので、帯の結び方で色の見せ方も変わり、華やかさも変わります。
扱いやすく、アレンジがしやすい帯なので、初心者の帯の結ぶ練習におすすめです。
3.着物初心者必見!帯の結び方をご紹介
それぞれの帯の代表的な結び方をご紹介します。
近年では、丸帯よりも袋帯の出番が多い傾向です。
丸帯の着付けは、お一人では難しいと思いますので、今回は袋帯の紹介から始めますね。
袋帯の結び方「二重太鼓」
前準備として、帯揚げは帯枕に巻いて、動かないようにゴムで固定しておきましょう。
帯揚げを使う場合、帯枕とセットで使います。
他の帯や結び方の時にも、同じようにセットしておくと、帯を結ぶ時に慌てずにすむので、おすすめです。
- 1)帯の幅が半分になるように折っておく
- 2)後ろから前に、左肩に手先を垂らす(手先の長さは身体の幅よりも15cmくらい長めに取る)
- 3)手先はそのままで、長い方を1周巻く
- 4)2周目を巻く時に、正面に帯板を入れる
- 5)2周目を巻いたら、手先の部分を左手に持って、お腹周りの垂れている帯を右手に持ち、締める(帯の下の部分(折り返して輪になっている)を持って締めると着崩れしにくい)
- 6)手先の部分を背中に回して、胴回りの帯と重なっている部分を左手で持つ
- 7)左手で手先の部分を持ち、右手で残っている帯を右肩に折り上げ、仮紐で動かないように止めて前で結ぶ
- 8)手先を体の正面に持っていき、着物クリップで留めるか、仮紐と帯の間に入れて落ちないように固定する
- 9)右肩に折り上げた帯を後ろに戻して、背中で帯を広げる
- 10)広げた帯の先の方から、たれの長さとお太鼓の長さをはかり、帯山(帯枕の場所)を決める
- 11)広げた帯の先の方を腰に沿わせ、決めた帯山の部分に帯枕を動かないように固定して、余った帯の部分を帯枕の上に垂らす
- 12)帯枕の紐は、しっかり結び、外に出ないように帯の中に入れる。帯揚げは邪魔にならないように、軽く結んでおく
- 13)帯のお太鼓の大きさを決めます。仮紐を垂れている帯の内側に入れ、たれの部分が人差し指の長さ分が見えるように、垂れている部分を内側に織り込む
- 14)お太鼓が動かないように、前で仮紐をしっかり結ぶ
- 15)固定していた手先を外して、仮紐に沿わせながら、輪の部分が下になるように、お太鼓の中に入れる
- 16) お太鼓の中の仮紐に沿わせて「左右1cmほど」出ている状態にする
- 17)手先をお太鼓の中に入れたら、帯締めもお太鼓の中の手先に添わせるように入れて、帯の正面で結ぶ
- 18)仮紐を外し、帯揚げを綺麗に結びなおして、結び目が見えるように帯と着物の間に入れる
名古屋帯の結び方「一重太鼓」
- 1)帯の幅が半分の方(手先)を、後ろから左肩にかけ、身体の幅よりも少し長めに身体の前にたらす
- 2)後ろの帯の部分を、背中の真ん中から折り上げ(柄が外に見えるように)お腹周りに2周巻き、脇の部分から斜めに折り上げる(帯板にベルトがついていない板状の場合は、1枚目と2枚目の間に挟む)
- 3)左肩にかけていた手先を左手に持ち、身体に巻き付けていた幅の広い方を右手にして、幅の広い方が上にくるようにねじり締めて、手先を帯の後ろから前に沿わせておく(落ちないように着物クリップで留める)
- 4)後ろの幅の広い帯を広げる
- 5)帯揚げを巻いた帯枕を、お太鼓の見せたい部分に沿わせて、広げた帯と帯枕を3)でねじって山になった部分にのせる
- 6)帯枕の紐を、帯枕が動かないように体の前の部分でしっかり結び、帯揚げは、帯を締めるときに邪魔にならないように軽く結んでおく
- 7)仮紐を、背中のお太鼓の下の部分の内側に当てて、垂れている帯を内側に入れる
- 8)たれを人差し指分の長さで残して、仮紐をむすぶ
- 9)着物クリップで留めていた手先を、お太鼓の中の仮紐に沿わせて「左右1cmほど」出ている状態にする
- 10)帯締めを、お太鼓の中に入れた手先の上にくるよう通して、前でしっかり締る(緩いとお太鼓が落ちるので注意)
- 11)帯締めを締めたら、仮紐を外し、帯揚げを三つ折りにして、結び目が縦になるように結び、端の部分は帯の中に入れる
- 12)お太鼓の形を整える
半幅帯の結び方「文庫結び」
浴衣や着物の時に結ぶ、基本的な帯の結び方です。
半幅帯を結ぶ時は、帯揚げ・帯締めは使用しません。
- 1)半分に折った帯の端を50cmくらい肩にかけ(右肩・左肩どちらでも可)、胴に巻く部分(たれ)から帯幅をいっぱいに広げて、1周巻いて帯の下の部分を持ち、締める
- 2)2周目を巻いた後も、帯の下の部分を持ち締める
- 3)たれ部分を三角に織り上げ、肩にかけた手先を上に下ろす
- 4)手先の部分が上にくるように、ギュッと結ぶ
- 5)結び目の部分から、たれ部分を綺麗に広げ、肩幅くらいの広さにたれを内側に折りこみ、たれ部分の長さがおさまるように繰り返して、羽根を作る
- 6)羽根の中央を持ち、真ん中がくぼむように谷折りにする
- 7)谷折りの部分が崩れないように、上下の部分に山折りを二つ作る
- 8)肩にかけた手先を、羽根が崩れないように5)の結び目に通すように巻き、締める
- 9)もう一度、羽根に手先を巻き、崩れないように締める
- 10)残っている手先を、帯と帯板の間に入れ、帯の下線の部分から手先を、羽根を持ち上げるように引っ張る
- 11)帯の下線に出ている手先を広げ、帯の内側に折り、帯の間に入れて隠す
- 12)羽根の形を整え、帯の結び目の部分と、左の脇の帯の下の部分を持ち、右に回す(衿元が崩れないように)
- 13)後ろに回った羽根を整える
【文庫結びのポイント】
帯は正面で結んでから、最後に後ろに回します。
着物の体型補正がしっかりできていないと、回すときに帯が崩れてしまいますので、補正はしっかりしておきましょう。
また、5)で羽根を内側に折りこみましたが、外側に折りこめば(屏風たたみ)、「蝶結び」という帯の結び方になります。
振袖を着るときに、袋帯で文庫結びをすることもありますので、覚えておくとアレンジが楽しくなりますよ。
まとめ
今回は、着物初心者におすすめ、シーン別に使う帯の種類と簡単な結び方をご紹介しました。
- ・シーン(場面)によって、着物と帯は変わる
- ・帯の種類は多くない
- ・基本的な帯の結び方を覚えれば、他の帯でも楽しめる
着物と帯は、フォーマルな場に出るときにはルールもあります。
ですが、普段の生活で着物を着る時は、ご自分が好きな帯で自由に楽しんで下さいね。
まるやま・京彩グループでは、着物好きの皆さんがステキな着物ライフを送れるよう、お役立ち情報発信をしていきます!
着物のことをもっと知りたい、着物をもっと楽しみたい、そんな声にお応えするブログを目指しています。